古谷の日記

音楽ゲームのことを中心に

ノスタルジア、語源についてpart2

 

ノスタルジアOp3のストーリー、お話の部分は2/16の更新で一区切りを迎えました。

 

今回の記事では、歴代ノスタルジアのストーリー曲の伝統?になっている「○○○○ nostalgia」のシリーズの語源の紹介と、多少の仮説?考察?(私が良いと思った考察の切り貼りかも?)を書いています。

あと、こういう話をしたいし、深掘りしてみたいから、間違いを恐れず取り敢えず自分の考えたことを書こうー!くらいの気持ちです。間違いとか、異論とか、新しい意見があればどんどん共有して欲しいです!感想でも!

 

1.vide nostalgia

vide nostalgiaという楽曲は、nostalgia forteのストーリーchapter25章で解禁される楽曲で、初代ノスタルジアの最後を飾っています。

さて、『vide』という単語はラテン語では、videōというsee,perceive;lookなどの意味を持つ単語の1つの活用系になっています。具体的には、vide is second-person singular present active imperative of videōです。

一つづつ出来るだけ平易に日本語で解説していきます。「second-person」は文法的な二人称のこと、つまり、その文章における主語(videをする人)が、その文章の話者や書き手ではない相手である場合の動詞の活用であるということです。

一応……動詞が主語と話者に対する関係で変化するのは、日本語話者にとってはすごく理解しにくい概念ですがおそらく、『vide nostalgia』を文章だと読んだ際に(ラテン語は派生先の英語などとは異なり必ずしも主語を必要としない)、この文章の主語はプレイヤー(話者)にとっての相手=二人称(ノスタルジア、もしくはノスタルジア運営などを仮定)であることが決まると思います。多分。ラテン語は、主語を必要としない分、動詞の人称変化が厳しいっぽいです。下の方にvideōの活用表を示していますが……すごい多い😅

次の「singular」は単数系、その動詞の影響を受ける人が単数か複数か的なこと?です。だと思います。厳密にはアレです!知らんけど!

present」は素直に(未来futureなどに対する)現在系、「active」も素直に(受動態passiveに対する)能動態、「imperative」も多少単語のレベルは高いですが普通に命令形のことです。

なので、「vide is second-person singular present active imperative of videō」という文章の意味は、「videはvideōの二人称単数現在能動態かつ命令形の活用形」というわけです。つまり、videはその活用系から単なるvideōのニュアンス(=見る)を持つ単語というだけでなく、他でもないプレイヤー個人(singular)に対してノスタルジア側(second-person)から『見ろ、これがノスタルジア』という様に投げかける命令形(imperative)の文章であり、曲名であるというところまで考えることが出来ます。

以下はニコニコ大百科のvide nostalgiaのページ(https://dic.nicovideo.jp/t/a/vide%20nostalgia)にある文章ですけど、すごく良いことを書いてあるので引用しています。私も音楽に造詣が深くて、そういう面からも楽しめたら良いんですけどね……一応最近は楽典?も取り敢えず勉強しています。

「最初のプレイを想起させる」郷愁感に浸ることができる曲構成から「~を見る」という動詞の「Vide」を考慮すると「Vide Nostalgia」を意訳するなら「これがノスタルジアです」といったところか。「名は体を表す」とはよく言ったところだろうか。

 

 

 

で、これがvideōの活用表です。second-person singular present active imperativeの場所を探してみると良いかもです。オレンジ色?のところですね。あと他の活用を見比べてみるとちょっと理解が深まるかもです。

f:id:tyotto_time:20230223013323j:image

 

 

2.voca nostalgia

 voca nostalgiaもvide nostalgiaと同じく、ノスタルジアOp2のストーリーの最終曲。すごく好き。

vocaはvocōという、call,summon,beckon(with one's voice)のニュアンスを持つ単語の活用系です。voca is secon-person singular present active imperative of vocōです。お気付きかも知れませんが、vide nostalgiaのvideと活用系が全く同じです。更に言うと、ラテン語の全ての動詞がこのタイプの活用系を持つわけでもないので、原形の動詞も似ていると言えます。

活用系の説明については、videのものと同じになるので、割愛しますが、結局は、「voca nostalgia」はnostalgiaをcallもしくは、summon、beckon(近付くようなジェスチャーのニュアンス)する(二人称)

 

……どういうこと???????????????

私の考えでは、いまいち綺麗な解釈をあてがえません。なので、ストーリー的な視点を丁寧に追っていたり、更に言語学的な知識を持たれる方は何か教えてください😢

ちなみに、vocaと語源を同じくしている英単語で言うと、vocal,vocabulary,voice,advocate,evoke,provokeなどがあります。個人的に意外だったのはinvite。voiceとinviteが同語源なのは信じ難いですね。それならと、「voca nostalgia」のvocaがinvite的ニュアンスである可能性で、「ノスタルジアへの誘い」的なこと?とも思いましたが、imperative(命令形)なのが、腑に落ちません(invite≒誘うの命令形ってなに?って感じです)。曲やストーリーの雰囲気とも合わないと思いますし。

うーん。うーん……よ、呼ぶ?

 

一応、vocōの活用表です。活用表からもvideとvocaの共通点が見られますね。vocaはvideと同じくオレンジ色のところですね。ちなみに、任意のラテン語の動詞の活用形を選んだ場合はあまりこういう活用表にはなりません。興味のある方は適当なラテン語の動詞の活用を調べてみると良いかもです。

f:id:tyotto_time:20230223024657j:image

 

【余談】

私はノスタルジアOp3の最終episode、11章12章の更新の前からある程度etymology(語源学)に興味があって調べていまして、videやvocaについて調べており、活用形が同じであったり、vide,vocaがそれぞれ見ると呼ぶで目と口を使う人間の動作に由来するものなので、五感に関係する単語?などと推測していました。下に貼ってるツイートもそういう意図ですね。

f:id:tyotto_time:20230225033543j:image

 

当時はvで始まる4文字のラテン語が来ると言うのが大方の予想であったため、私はvで始まる4文字の単語かつ、活用系(singular present active imperative)のものを探してました。すっごい地道に探していたらvaleっていう単語が、その条件は満たしていました。

valeは辞書に載る形はvaleōで、valeōはI am well, healthyなどの意味を持ち、あまり詳しくは調べてませんが現代の英語などではvale自体はfarewell,goodbyeなどのニュアンスも持つらしいです。すごく良さげだと思ったんですが……実際は↓

 

 

3.audite nostalgia

 audite nostalgia。

auditeは、audio(オーディオ)とかaudience(聴衆)などと同じ語源の単語で、勿論hear,listenなどのニュアンスを持ちます。聞くの意味で、聴覚でしたね。初めて曲名を見たときは「あっ、五感があってたんだー?そっち!?」って思いました。

もう3回目ですけど、audio is secnod-person singular present active imperative of audiōです。五感もそうですけど、活用も完全に同じでした。

vide nostalgiaの時と同じ理屈で言うと「聞け、これがノスタルジアだ」的なこととも読めるわけです……かね?

 

【予想】

これで、これまでに3つの「○○○○ nostalgia」というタイトルの曲達が現れ、その共通点なども明らかになってきたと思います。

まず、確定的に明らかなのは、ラテン語の動詞であること、また、その動詞の活用の種類(secnod-person singular present active imperative)。

次に、多分……そう?くらいの規則性のものは、人間の五感であること。

なので、次に来る「○○○○ nostalgia」は、五感に基づく単語、かつ活用が「secnod-person singular present active imperative」を満たしているものの可能性が高いと思われます。残る五感、触覚と味覚に関して、ラテン語で何と呼ぶのかを調べたところ、触覚はtaxō、味覚はgustōと言うらしいです。

 

触覚のtaxōの例の活用形(secnod-person singular present active imperative)はtaxaでした。「taxa nostalgia」で「ノスタルジアに触れ」とか「ノスタルジアに触れてみろ」的なことですかね、touchやgraspのニュアンスの命令形(imperative)なので。

一応これがtaxōの活用表です。

f:id:tyotto_time:20230225035005j:image

 

味覚のgustōの例の活用形(secnod-person singular present active imperative)はgustaでした。「食え」とか「食ってみろ」的なことですか?食べることの命令形ってちょっと珍しい気もしますが。ていうか「gusta nostalgia」で「ノスタルジアを食え」って何ですか?すごい面白そうですけど、わりとそのシチュエーションが想像出来ません笑笑

一応gustōの活用表です。

f:id:tyotto_time:20230225031735j:image

 

予想することがある種無粋なことは私も思いますが、考えられることや思考出来ることに敢えて蓋をするのは、気持ち悪いので、賛否は気にせずやっちゃいました。

 

 

【余談その2】

auditeの、その1つ前の終曲・改「三儀の凱奏」もすごい良かったです。すごく目立ってるPetite Queenのフレーズが聞こえてきてから、右手にすごい速度の右手では珍しい配置が降ってきたり、序盤から左手の配置がリサイタルだと鬼キツかったり、すごい譜面をしています。

ていうか、最近のノスタルジアの譜面は、譜面の幅の広がりを感じます……よね?

魔女狩り・storm of suspicion・forgeryの追加の時から、audite nostalgiaまでのストーリーの曲全部新しいです。なんというか、あんまりノスタルジアというか、一番人気とは程遠いゲームにあるまじき譜面のパターンを出してきて、最近のノスタルジアはマジで面白いです。是非やってみましょう!!!